marie.メモ

日々の出来事・考えを整理するためのブログです。

外食業のサブスク

本日はこちら。久々のサブスクネタです。

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牛角のサブスクモデルが
2週間足らずで販売停止となった話になります。
この自体はなぜ行ってしまったのでしょうか。

そもそもサブスクモデルのメリット

最近増えてきたサブスクモデルは定額制サービスのことを指し
受け取れるメリットは大きく2点あるように思っています。

①1取引のコスト削減
まず定額取引による1取引ごとにかかるコストを一括にまとめることができる点。

具体的には料金の支払い一括化など
通常:1利用ごとに合計金額の集計、顧客への提示、支払い、精算
サブスク:顧客への提示、支払い、精算(集計業務の削減)

②収益の安定化(固定費化)
会員数×定額料金をみることで収益の予想を大まかにたてることができる点。

収益予想を大まかにたてることで、
次点の取り組み検討がしやすくなります。

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以上のメリットが企業側に存在します。
もちろんこのメリットを享受するにはサブスクモデルの継続的な利用が必要不可欠となります。

継続的な利用をするためには
1.顧客視点:定額料金を支払い続ける価値があると思わせられるかどうか(≒お得感、商品のアップデート)
2.企業視点:1取引のコスト削減が大きいかどうか
という観点で見ていく必要があります。

今回牛角に関しては1.2.どちらの点においても中途半端であり
とりわけ2に関しては相性がわるく、失敗にいたったと思っています。

1.長期的な利用:△

サブスクモデルを利用する際「○回やれば元がとれる」といった観点で利用を検討する方が多いですが
長期的に利用してもらうには、顧客を囲い続ける必要があります。
そのためには商品・サービス内容自体が変えることができる/増やすことができる/グレードを上げ続けることができる要素が重要です。

Spotifyなどは一度契約すると進捗は増え続けますし、継続的に利用するメリットを消費者は感じやすいでしょう。

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今回の牛角食べ放題の場合
食べ放題メニューということで、自分の好きなものを選ぶことができる点で商品を変えることができますが
基本的には同じようなメニューであるため、アップグレードを感じ続けることが少しむずかしいかもしれません。

2.コスト削減:×

今回問題点として大きかったのは2を見誤った点が大きいと考えています。
そもそも外食産業の場合、デジタル商材と異なり利用にあたっては店舗あたりの「座席(≒利用枠数)」に限りがあります。

その限られた枠数を
①いかに回転率を高められるか
②いかに客単価を高められるか
によって売上をつくっていきます。

まず①回転率に関しても
食べ放題の場合90分は固定になってしまうため
サブスク利用客によって新規客の枠数そのものを減らしてしまう可能性があります。

また食べ放題のため商品提供などには新規顧客と同様のコストがかかってしまうため
あまり1取引あたりのコストが削減できているかを考えた場合、相性が良い商材とは決して言えません。

加えて②客単価に関しても
サブスクは個別での対応となっているため(1人ごとに定額利用券の発行)
1人客が増加する可能性があります。

このこと自体は問題ないですが、例えば1人客客専用のテーブルが埋まった場合
2人席や4人席に誘導になる可能性があります。

その場合、複数人数帯の新規客獲得の機会を逃すことになるでしょう。

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流行りのサブスクモデル
話題性はあるものの、製品との相性のよしあるしは必ずあるはずなので
その点意識し顧客視点、企業視点で引き続き見ていきたいと思います。