生鮮食品業界のEC化@日本
本日はこちら。
forbesjapan.com
ウォルマートがEC化率を高め
アマゾンへ対抗しているといった記事です。
リアル店舗をもつウォルマートの
・自宅配送強化
・店舗の倉庫化
といった対応をAmazon同様の低価格で勝負できている点が成功要因かと思います。
一方で国内に目を向けると
各社EC化対応は行っていますが、現時点でAmazonに対抗できているといえるとは言い難いでしょう。
ではなぜ日本国内では、リアル店舗をもつ企業のEC化対応が遅れているのでしょうか?
個人的には
①店舗の倉庫化
②設備投資費の不足
③人材確保
以上3点が大きくあると思っています。
①店舗の倉庫化
スーパーマーケットの強みはリアル店舗をもつことであり
リアル店舗をいかに倉庫として活用しきるかというのがポイントとなります。
倉庫として活用する場合、方法論は下記2点。
①そもそも倉庫としての利用を前提として設計する。
中国の「盒馬鮮生」はこの対応がうまくできています。
www.bcnretail.com
②既存店舗を倉庫として活用する。
ウォルマートはこの点がすぐれているといえ、逆に言うと日本ではこの対応ができていないように思います。
理由として大きいのは売り場面積の違いです。
EC対応として必要不可欠なこととして、希望商品の取り置きがあります。
日本はアメリカと比較し国土面積は25倍あり、そもそも国土が小さく敷地確保が困難です。
そのため日本のスーパーマーケットの平均売り場面積は都市圏で1,037.8m²、地方圏で1,369.7m²(参考:
http://www.j-sosm.jp/numeral/2017_29_35.html)
対してウォルマートの平均売り場面積は約17000m²と約10倍にあたります。(参考:
http://retail-study.cocolog-nifty.com/saishin/2013/03/post-4c0e.html)
ウォルマートの場合、郊外出店を中心としたビジネスモデルのため売り場面積が広いのは当たり前といえば当たりまえですが
それでも地方平均と比べても圧倒的です。
この店舗の広さがEC化対応する上、既存店舗をそのまま効率的にEC化対応できない要因の1つだと考えます。
現にイオンはEC対応専用倉庫をつくると発表しており
既存店舗での対応が難しいことが伺えます。
lnews.jp
これでは設備投資費が膨大にかかるため、メリットである既存店舗の活用が困難になりEC化対応がすすまないというのが
1つめの仮説になります。
②設備投資費
もう1つは投資額の差です。
EC化対応するにはそれに耐えうるだけのシステム構築を行う必要があります。
ウォルマートは19年単年だけで、デジタル関連投資費が5000億円。アマゾンに関しても18年単年で3000億円に及びます。
比較すると国内最大手イオンでさえ、3年間で5000億と海外大手、あるいはEC企業と比べると見劣りします。