marie.メモ

日々の出来事・考えを整理するためのブログです。

メガネスーパーのV字回復①

メガネスーパーがかつての勢いを取り戻しつつあります。

メガネ市場の変遷

本題に入る前にまずは簡単にメガネ市場の時代背景を。
元々個人事業主が主だったメガネ市場にメガネスーパーが登場したのが1980年。

チェーンオペレーションをもとに多店舗展開を実施。
大量の商品をまとめて仕入れることで低価格を実現しシェアを獲得していきました。

ピーク時は500店舗、売上高400億円弱あったメガネスーパーですが(現在は380店舗、売上高200億円)
2000年代JINSZoffといったSPA型企業による価格競争に勝てず業績悪化。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー


そんなメガネスーパーの業績が近年V字回復しています。

f:id:fujimuramarie0421:20191220062058p:plain

参照:
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/278209/041800203/?P=1


主な取り組みとして主に述べられていることが下記2点。

①不採算店舗の閉店(事業のスリム化)

多店舗展開を行っていたメガネスーパーですが
どんどん展開していった店舗の整理は立て直しする際の第一歩といえるでしょう。

②低価格訴求から高品質高価格訴求にシフト

一時はSPA型企業に対抗し価格競争を行っていましたが
ビジネスモデル上SPA型モデルよりも低い価格での提供は難しいです。

そこで割り切って高品質高価格にシフトチェンジできたことで客単価を高めることができました。
(現客単価が35000円。ピーク時の約倍とのこと。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上2点を行いました!だから業績悪化しました!ということでしたが
やっていること自体は王道中の王道。
わかっててもこれがうまくできない企業も多くあるでしょう。
ではなぜメガネスーパーは上記2点を進めることができたのでしょうか?

f:id:fujimuramarie0421:20191220063754p:plain

①超高齢化社会に伴うニーズの高さ

日本の人口減少や高齢化は社会問題の1つとなっています。
他業界の場合、減り続ける母数とそもそも向き合っていかなくてはならないですが
高齢者に限っては少なくともここ20年は上昇傾向にあり
ニーズが高まっていく数少ない成長市場だといえます。

f:id:fujimuramarie0421:20191220064122p:plain

参照:総務省統計局

目に関してはコンタクトレンズも普及していますが
高齢者の場合コンタクトレンズよりも手軽さの観点でメガネを利用する人が多いでしょう。
そのためこの時代背景の恩恵はメガネスーパーは受けることができた点がまず大きいでしょう。

②ターゲットの違い

次に競合の観点ですが、上述したように競合企業はJinzやZoffとなりますが
SPA型モデルは元々低価格訴求が主となっているため基本的には価格弾力性の高い若者がターゲットです。

もちろん高齢者をターゲットとした訴求も強化してくるでしょうが
シニア層を絞ったメガネスーパーのほうが柔軟な対応ができるでしょう。

③接客力、技術力

高単価路線へシフトする場合、それに伴う技術や営業力の担保が必要となります。
ただ元々メガネスーパーは医療機器としてのメガネに対する技術が高く評価されていたようです。
そういった自社の技術力が高単価路線を後押ししたでしょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上がうまくいった主な要因かと思います。
やはりどんなに素晴らしい営業力や技術力をもってしても
戦う市場・ポジションを選ばなくては勝ちきれないでしょう。


とはいえピーク時の売上高は約半分。
これから更にV字回復しシェア奪還するにはどうすればよいのでしょうか?
次回の記事で自分なりの考えを述べたいと思います。