marie.メモ

日々の出来事・考えを整理するためのブログです。

立場による「コスパ」の認識ズレ

日頃商品を買うとき、「コスパの良さ」を結構気にします。

例えばコンビニスイーツ。
24時間営業しているコンビニで買える手頃なスイーツは、わざわざケーキ屋に行って高いスイーツを買わずして
美味しいお菓子を食べられるまさに「コスパ」の良い商品。

でもこの「コスパ」という単語、消費者視点だと魅力的ではありますが
企業側からすると非常に悩ましい単語です。


原理原則で考えたとき
値段の高いものはクオリティが高くなるはずですし、安いものはクオリティが低くなるはずです。

この原理原則に対し、企業は規模の経済を活用した調達コストや製造コストの削減等によりコスパの良い商品・サービスを提供できるよう企業努力を積み重ねます。
それ自体は素晴らしいことですが、コスト管理はどこかで必ず頭打ちにあいます。


こういった値段とクオリティの関係性をまとめたものが「トレードオフ」になります。
www.amazon.co.jp

こちらの本ではトレードオフ関係を「上質さ」と「手軽さ」で述べています。

顧客視点だとどうしても求めてしまう「コスパ

ある程度所得が高くなると、価格を重視しないためコスパの良さを気にしなくなると思いますが
基本的には消費者は価格は重要であり、「クオリティが低くて安いもの」よりも「上質なのに安いもの」を求めます。

特に日本人は「おもてなし」の精神という名の過剰サービスを求める傾向があります。


例えば、お客様は神様だ!的な考え。

www.inshokuten.com


中にはこのような企業・店舗も出てきており
一昔まえよりもコスパの良すぎる過剰サービスをしないと断言する企業も出てきていますが
まだまだ一般的でないのが実情。



となると、
企業は顧客が「コスパを求めないよう、割り切ることができる環境づくり」をするべきではないかというのが私の意見です。

では割り切れる環境とは何なのか?
それは顧客が価格以上に求めている価値に応えることです。

この”価値”が何かを考えるには
提供する商品・サービスによって消費者がどのような価値を享受しているのかを正確に把握する必要があります。
(ジョブ理論でいう、顧客が商品・サービスを購入して「そんなジョブ」を解決しようとしているのか。)

その価値にさえ応えていれば、
多少安かろうわろかろうものだとしても消費者が「悪くはない。価格以上の価値がある」と錯覚させることができます。
こういった価値をうまく提供できている好例がいくつかあります。

Uber Eats

ウーバーはもともとタクシーの配車アプリから始まったサービスですが
日本では既得権益との問題により、ウーバーイーツのほうが有名ですよね。

ウーバーイーツはフードデリバリーサービスですが
出前館のように自社社員ではなく、消費者に配送しているため教育が行き届いていないため
提供サービスにクオリテイのばらつきが生じる可能性があります。
(リュックに入れて運ぶ場合、斜めになってしまう可能性があるなど)

ではウーバーイーツが提供している価値は何か?それは「短い提供時間」です。
デリバリーサービスを提供する人にとって「提供時間」は重要な価値となりえるからです。
ウーバーイーツは店舗に近い配達員に連絡がいくため配送スピードがほかよりも早くなるよう工夫されています。

②メルカリ

メルカリは最大手のフリマアプリですが
安く買える以上に「ほしいものをすぐ手軽に売れる」ことが提供している価値です。

メルカリは
すぐに売れるという「ユーザー数の多さ」
手軽に売れるという「自宅からスマホで出品可能」なことから
配送手続きや購買のやりとり、低価格での販売(他サービスよりも販売手数料が高い)といった気になる点はあるものの
消費者は価値を感じているため多くの人に利用されています。

※メルカリの場合特にユーザー数の多さが、競合優位性を保つ上で重要なため
広告宣伝費の投下などで初期に一気にユーザーを獲得し、シェア1位となったことが大きいでしょう。

変化するニーズに提供価値を対応し続けなければならない

とはいえ、ずっと同じ商品・サービスを提供していては
変化した顧客ニーズに応えられなくなります。そのため常に顧客が求めているものは何か、それに価値を提供できているのか
を考える必要があるでしょう。