marie.メモ

日々の出来事・考えを整理するためのブログです。

「美味しいお弁当」をつくるための一貫したコンセプト

楠木さんの「ストーリーとしての競争戦略」は名著として知られていますが
昨日の「たまご屋」も一貫したコンセプトがあり、ストーリーとして紹介したいと思います。

imitsu.jp

「おいしいお弁当」の提供

たまご屋はお弁当の美味しさを第一にするため
50%超原価率を他社よりも高く設定しております。

とはいえ一般的な
・複数種類の料理
・一定の廃棄
といったことも含めると、50%超の原価率はまずもって自殺行為です。

そのため「どうすれば高い原価率でも儲けが出るのか」を追求したビジネスモデルをとっています。

種類は単一、法人向けのみに展開

弁当の種類は日替わり弁当の1種類のみ。
こうすることで発注や製造の手間をへらすことができ、より規模の経済を効きやすくできます。
もちろん同じ弁当で飽きさせないような献立作りは必要不可欠といえます(2ヶ月で1周まわるメニューだそう)

またお弁当の発注も法人注文のみに限定することで
個人向けよりもある程度、売上予測がしやすい状況を生み出します。

当日注文→緻密な売上予測

とはいえ、法人向けのランチ弁当。
購入の意思決定は主に当日午前中に行うため、当日に発注作業をしなければなりません。
ただ注文を受け付けてから作成し始めてから全ての製造・配送を行っては間に合いません。

そのため、事前に曜日や天気などで売上予測をし、一定数を製造。最終着地を注文をもとに行う
この一見シンプルなことを追求しきっているところがたまご屋の凄さがあります。

実際事前予測と発注後の追加製造は数百の誤差しかないのが凄さです。

発注作業の連携

1個の誤差もないよう配送するために、2つにわけた配送対応をしています。
一陣:一定数もった車が遠方から郵送先へ向かう
二陣:誤差を埋める調整車。追加発注分のお弁当をつみ、事前に積んだオベントの+、-を調整し在庫をぴったりさばく

たまご屋の凄さは「配送に間に合えばOK」という割り切り。
最初から完璧を目指すのではなく、後からの二陣でプラマイ0にするよう調整車を出す高度な配送連携が当日発注を可能にしています。

顧客情報の収集

たまご屋はあえて「プラスチック箱」を採用しており
そのため午後に空箱の回収を行います。

一見捨てられる箱にしたほうが効率はよいですが
回収ついでに実際の感想や、残飯チェックを行うとのこと。
そうすることで何が結局人気なのか。そういった生の声をその日に回収し、次の献立に活かすことができます。

このように「美味しいお弁当」をつくるため
・ムダなくつくり
・顧客の声を反映させ
・美味しいお弁当になる、結果儲かる
・儲かった分さらに、原価率を高めてお弁当をつくる
・さらに美味しいお弁当ができる…
というシンプルですが他社にはなかなかマネできないストーリーができているように思えます。