フォロワー企業の理想的な戦略
企業の立場によって戦い方、いわゆる戦略は大きく変わります。
リーダー企業は投下できる資源の量が圧倒的のため、
基本的にはほか企業が新しい取り組みを行ったとしても、それ以上の数で同じことをすれば(真似をすれば)
規模の経済が働きコスト優位になります。
リーダー企業は基本的にはそれだけで首位を守れるはずです。
だからこそ(これ以外もあるかとは思いますが)リーダー企業を目指します。
一方後発企業は一度シェアを取られると中々首位奪還は難しいです。
とはいえ、シェアが逆転した例ももちろん多くあります。
逆転した事例の多くは「リーダー企業が真似しなかったこと」が大きなポイントかと思います。
これを更に分けると
①真似したくても真似できなかった例
②真似をするタイミングが遅れ、手遅れになった例
それぞれ例を挙げてみようと思います。
(もはや古典の話ともいえる、昔の事例になりますが…)
①真似したくても真似できなかった事例
これは後発企業の理想的な戦略と言えるかと思います。
具体的な例として有名なのが①コクヨとアスクルによるオフィス向け文房具市場になります。
ポイントは流通経路の戦略にありあした。
元々コクヨは出荷経路は
メーカー→問屋→文房具屋→消費者
となっており、特に問屋・文房具屋との関係をガチガチにもつことでリーダー企業として圧倒的なシェアをとっていました。
そんな中アスクルは
中小企業向けに目を向け、文房具の通信販売(カタログ販売)を行いました。
これは問屋・文房具屋との密接な関係があったコクヨには真似できない手法です(中抜になるため)。
これが「真似したくても真似できない」戦略です。
もちろんこれ以外にもアスクルは文房具屋に利用企業を紹介してもらう「エージェント制度」など
より盤石な体制となるよう一環した戦略をすすめました。
最終的にはコクヨを抜かしリーダー企業となったのです。
②真似をするタイミングが遅れ、手遅れになった例
これはある意味リーダーとしての余裕が
市場のニーズを正しく把握できず完全に後手に回った例。キリンとアサヒのビールだとかは有名でしょうか。
ラガービールで半数以上のシェアを誇っていたキリンビール。
アサヒビールは顧客の潜在的ニーズをよみとり、軽い口溶けの「スーパードライ」が出たとき
「あんなものが売れるはずがない」とラガービール押しを変わらずおこなったところ
大ヒット。慌てて商品開発をするも完全後手にまわることに…というのは有名な話。
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あまりにも古典的な事例となってしまったので(特にビールはw)
次回は直近の事例でもリーダー企業とフォロワー企業との戦いについて述べてみたいと思います。