marie.メモ

日々の出来事・考えを整理するためのブログです。

【レビュー】V字回復の経営(前編)

こんばんは。marieです。

突然ですが最近インプットとして、積極的に読書をしています。
(まだまだ習慣化していませんが)

5月に入り、配属されたチームのリーダーにも
「インプットとアウトプットを習慣化するべし」という指示を受けたため
今回は、読んでいる図書についてレビューを行いたいと思います。

本の詳細

題名:V字回復の経営‐2年で会社を変えられますか‐
著者:三枝匡
出版社:日本経済新聞出版社

2006年に第1版が発売されて以来
2015年までに約20回以上増版された、言わずと知れた名著です。

作者はボストン・コンサルティング・グループの国内採用第一号コンサルタントであり
MBA取得後、プロ経営者として活躍した三枝氏である。

元々本自体持っていましたが、読むのが後回しになっていました。
4月の研修期間中、講師におすすめされたので、
読んでみることにしました。

458ページにも及ぶ本のため
今回は第1章~第3章を全編として、レビューを行います。

本の主題①日米企業の違い

一度不信に陥った企業が再興するには
危機感をバネに「心」と「行動」を束ね、皆で一つの方向に走ることが何よりも大切である。


しかし、ダメな企業ほど危機意識が低く、たるんでいることが多い。
その危機意識の低さは、組織内部の政治性に起因している。

米国の経営者は社内の抵抗を強権で排除することができる、しかもその意思決定が圧倒的に早い。
巨額な給料を前に、従業員を大量にクビにしても構わないという、米国資本主義の「株式支配型」経営だからこそ成せることである。

一方日本はどうだろうか?
1920年代以降、日本では産業構造の転換によって深刻な労働不足に陥った。
その状況を打破するために、各企業は日本的経営*1を行うようになった。
その伝統が今なお続いたため、人減らしを積極的に行えない状態となった。

そればかりではなく、人を切り捨てても構わないという冷酷な経営者が生まれにくい環境となり、
結果多くの日本の経営者は既存の枠組みを大きく壊さない範囲で改善を行うようになった。

本の主題②日本企業の歩むべき道

人減らしを行わない一方で、企業の活性化は必要であると考える日本企業に残された道は1つである。
それは「社員の生産性を高める」ことである。

しかし、社員の士気は低い。戦略的思考も米国に劣る。結果、日本では経営的人材が育ちにくい。
だからこそ、日本企業を元気にするには経営層こそ経営的技量を身に着け、熱く燃え、いい仕事をしない限り競争に打ち勝つことはできない。

著者の言いたいことは何か(全体)

日本企業が競合企業・そして米国企業に打ち勝つためには、どのような経営的技量を身に着け、困難に打ち勝っていかなければならないのか?

その点をストーリー仕立てで解説するのが本著の役割である。

著者の言いたいことは何か(第1章)

第1章では、衰退した企業が復活するためには

  1. 強力なリーダーの存在
  2. 気骨の知れた隠れた人材の存在
  3. 改革への覚悟

の必要性について述べられている。
強力なリーダーのことを、ここでは「選ばれたもの」ではなく、「集団への責任を自覚した者たち」と定義している。その自覚こそ、改革の覚悟へとつながる。

また、リーダー一人での改革も絶対に起きない。そこにはリーダーを支え、実行部隊となるやる気に満ちた社員の存在も、また必要不可欠である。

筆者の言いたいことは何か(第2章)

第2章では、改革の第一歩として

  1. 現実の直視
  2. 当事者意識をもち、危機感を抱くこと

の2点が挙げられている。
現実の直視をせずに、改革は不可能である。全ての部門におこっている現状について、逃げずに徹底的に向き合う。

経営層だけではない。今後経営者とともに会社を導くリーダーチームたちを皮切りに全員が危機感を抱かなければならない。
危機感を抱いていない行動など、すべて表面的な改善に過ぎない。

筆者の言いたいことは何か(第3章)

第3章では、企業の業績悪化の原因とその解決案を方向付けるための改革のコンセプトについて述べられている。

  1. 改革のコンセプト①商売の基本サイクル=創って、作って、売る

商売の基本サイクルである「創って、作って、売る」を一貫して、高速で回すことこそ顧客満足の本質である。

  1. 改革のコンセプト②勝ち戦の循環(P.168)

競合を上回る成長をみせる企業は勝ち戦の循環が回っている。
言い換えると、勝ち戦の循環がどこかで切れていると、とたんに負け戦となる。

  1. 改革のコンセプト③事業変革の3つの原動力

「戦略」をもとに、「商品の基本サイクル」を高速に回る組織を設計する。そのことによって、従業員全員の「マインド・行動」を生み出す。
そのためには、従業員の心動かす戦略でなければならないし、商品の基本サイクルを高速で回すことを全員が意識する必要がある。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

以上までが第3章までの要約になります。
次回の投稿で第4章以降の要約と、この本の意義について述べたいと思います。

引き続きよろしくお願い致します。

*1:日本的経営とは①終身雇用②年功序列企業別組合のことを指す